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プロクオリティヘッドフォン厳選12機種+1

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これまで 裏の方 で150機ほどに及ぶヘッドフォンを吟味してきましたが、この辺で一区切りとしつつ、胸を張ってお勧めできる間違いのない優秀な現行(2025年8月現在)ヘッドフォン12機種を紹介してみます。 選定基準としては再生音の正確性(原音忠実再生性能)を最重視しつつ、機能性や使い勝手、対価性能を考慮しながら独断の評価、推奨度を⭐︎印で示しています。 なお、表記項目数値は10段階評価。「再生レンジ」の数値付随記号「<」は低域減衰型、「>」は高域減衰型を示します。 Roland RH-A30 / ⭐︎⭐︎ 低域のパンチ力とワイドなサウンドレンジが光る、対価性能では群を抜くコスパ最強のロングセラーモニター。 オープンバック 特性傾向:弱ドンシャリ 再生レンジ:9 装着性:7 取り回し:6 コスト:9 RH-A30 Sennheiser HD 560S (HD 400 PRO) / ⭐︎⭐︎ 上位にも優るワイドな再生レンジと艶やかな高域が特徴的なハイコストパフォーマー。 別ラインナップHD 400 PROは、パッケージングの異なる同性能機。 オープンバック 特性傾向:概ねニュートラル 再生レンジ:<9 装着性:6 取り回し:5 コスト:8 HD 560S HD 400 PRO Sennheiser HD 300 PRO / ⭐︎⭐︎ 密閉型ならではの深い低域レンジも、重々しさのない開放型と見紛うニュートラルバランスを誇る逸材。 クローズドバック 特性傾向:概ねニュートラル 再生レンジ:10 装着性:5 取り回し:8 コスト:8 HD 300 PRO TAGO STUDIO T3-03 / ⭐︎⭐︎ ニュートラル性を保ちつつも、メリハリの効いた心地良いリスニングバランスの映えるサウンド。 クローズドバック 特性傾向:弱ドンシャリ 再生レンジ:<8 装着性:7 取り回し:6 コスト:7 T3-03 audio-technica ATH-R50x / ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ パンチのある低域と透き通る高域によるワイドなレンジ感、抜けの良さは秀逸。しっくりとくる軽い装着性と邪魔にならない片出しケーブルで機動力、常用性も抜群。 オープンバック 特性傾向:弱ドンシャリ 再生レンジ:9 装着性:10 取り回し:7 コスト:7 ATH-R50x beyerdyn...

「Silent Running」by 兄貴っぽいど

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3ヶ月ほど前から公開してますが、オリジナル曲「Silent Running」をちょっと紹介します。 兄貴が生前残した最後の収録音声──── ...と堂々宣わってしまいたいほどに、声質、発音、歌い回しなど隅々まで兄貴らしい歌唱を実現できたことにつくづく驚愕しているのですが、これはもちろんACE Studioの歌声合成で復元したAIシンガー兄貴の歌唱を当てたものです。 そもそもこの曲はAIヴォーカルソフトの検証用として汎用的に使えるよう準備をはじめたものでしたが、制作をはじめて間もないある日、夢枕に立った兄貴が歌わせてくれと言うので...というかまぁ自分自身が兄貴に歌ってもらいたいという思いの現れだったのかもしれませんが...ともあれそんなわけで、兄貴の歌として煮詰めていったのでした。 この制作にあたって実に云十年ぶりに歌詞なんてものを書いてみましたが、モチーフとした同名映画「 サイレント・ランニング 」(1972)というSFものがありまして、この世界観をベースとしながら独自のストーリーへとイメージを膨らませています。  メロディ、アレンジ面では恒久的な空間、時間、孤独感を描くべく、ピアノによるごくシンプルなアルペジオのみという物悲しいバッキングに、ヴォーカル表現のみでの展開を組み立てた循環進行を取り入れてみました。

禁断の歌声復元

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亡き者の歌声を甦らせる...... そんな風に捉えると倫理的に少々引っ掛かるものもありますが、残された作り掛けの楽曲を完成させたいという強い思いは、兄貴の歌声復元の道を追求させてしまうのでありました。 復元とは言っても本人を生き返らせることなど絶対に不可能なので、現実にはできる限りそっくりに真似た音声を作ることになります。それを可能にしてくれたのが目下猛烈な勢いで進化しているAI技術なわけですが、いくつかのツールを試した末に行き着いたのが ACE Studio の音楽用AI歌声合成ジェネレーターでした。 ACE Studioは2022年頃より公に出てきた後発のAIシンガーソフトで、今回90日の試用ができるということで目下試している最中なのですが、しかし処理効率が悪いというかいちいち待たされる重い動作だったり、ベタ打ちではちょっとおかしな中華風な歌い回しになってしまうところがあったりしてビミョーな点もチラホラと。ただ VOCALOID や CeVIO のように棒のような無感情な歌い方ではないし、細かい編集のしやすさ、軽快さは群を抜いているものを感じるので、今後の機能強化や改善次第ではダントツ一強状態の Synthsizer V を脅かす存在になるソフトに化けるかもしれませんね。 とまぁ歌わせる機能の部分ではそんなもんですが、ぶったまげたのが先に挙げた「音楽用AI歌声合成ジェネレーター」の驚異的な”モノマネ”ポテンシャルでした。ある人の声を覚えさせて別の人がその声で喋っちゃうという、よくTVで取り上げられるAIによる音声偽装技術がありますが、まさにあのレベルです💦 昨夏、声質をリアルタイムに変化させられる Vocoflex なる音声モーフィングソフトが登場しましたが、これも同様にサンプル音声から声を似せることが可能です。しかしこのソフトはあくまでもフィルターを通したような単純処理なので、何かのっぺりとした似せ方でリアルさに乏しいです。それに対しACE Studioの歌声合成ジェネレーターは、音程や発声の仕方に応じた声質を細かく学習、分析した結果を反映させているようなので、元ネタの歌声をヒジョーにリアルに再現してくれます。 無論この歌声合成ジェネレーターで作った兄貴の声はACE Studio上でしか使えないので、歌唱の編集も重た〜い環境でやらなければならなかったのでなか...

晩方ロック#054「特集:音楽シーンにおけるAI」

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今回は特集として、昨今話題のAI(人工知能)技術をピックアップ!! 音楽シーンにおいても例外なくAIが活用される場面が増えていますが、作詞や作曲、AIシンガーなどの実例を取り上げながらその利便性や影響、課題などを考えてみたりする、ちょっぴりタメになる30分お楽しみに!! 関連ソフト記事 voicepeak Clarity Vx AIヴォーカルシンセ ChatGPTで短編作詞させてみた件... Burn! Gotta Rock!! 魂を燃やして 炎を纏い 夜の帷と共に 舞い上がる 響く鼓動 解き放て 輝ける夢 叶えるために 誰も止められない 熱き衝動 燃え上がる魂 この歌に込めて Burn! Gotta Rock!! 魂を燃やして 炎を纏い 夜の帷と共に 舞い上がる 煌めく未来へと 飛び立とう SUPER RADIO 響かせよう 放送日程: 毎週火曜日 6月20日、 27日 晩方6時半 より!! またWeekly Revival火曜日( 15:30〜 )にて 7月4日、 11日 再放送。 また、 JCBAインターネットサイマルラジオ にて全国津々浦々で視聴可能ですので、エリア外の方はぜひご利用ください。

ヘッドフォンのキャリブレーション

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ヘッドフォンは特に、機種によって出音特性の違いがかなり顕著なデバイスですが、数々の個性の異なるヘッドフォンの再生音も今やソフトウェアで簡単にキャリブレーションが行えます。 キャリブレーションとは特性をニュートラルに揃えることですが、ヘッドフォン出力音声の周波数特性の凸凹を打ち消すように、それとは逆転した凹凸のイコライジングを噛ませてやって出力音声のクセを相殺してしまおうという力技です。 キャリブレーションを行う必要は必ずしもありませんが、音関係の現場や仕事、学校などで使用している機材とプライベートで使っているものとが違うケースは多いと思いますし、作業を自宅に持ち帰った時など聴こえ方ができるだけ一致している方が当然都合が良いはずです。 また一律な比較ができるよう「ニュートラルな音を知る」という意味でも有用で、その点ではプロファイルのターゲット(目標として詰めていく特性カーブ)がしっかりとフラットな方向性で概ね一貫している SoundID Reference for Headphones がオススメ。対応機種は少ないですが、 スマホ用アプリ も出ています。 PC用のSoundIDには現在までに800機種以上のプロファイルが用意されており、普及している定番モニター機には概ね対応しています。また自身で補正をいじることもできますが、面白いところは補正の適応範囲を自由に変更できる点で、ヘッドフォンの個性を部分的に残しながらの使用も可能です。 Mac、Windowsに対応し、スタンドアローンでPCのシステム音声に組み込めることが大きな利点ですが、設定により遅延も最小限に抑えられるため音楽制作にも有用で使い勝手は抜群です。また一応プラグインとしても使えますが、単独で使えるだけにどういう場面で必要なのかよく分からんのですけれど^^; 他にも様々なソフトウェア、プラグインもありますが、単独で使えないプラグインは用途が限られてしまいますし、対応機種(プロファイル)が多いものは特に、一貫性のない(同じ狙いでも揃っていない)特性ターゲットが混在していたりするために”特性を揃える”という本来の欲求を全く満たせない本末転倒な部分が色濃く、非常に使いづらいです。 しかし中には eqMac Pro のような調整の自由度がずば抜けた(対応機種は数千にも及ぶ)高機能システムE...

商用・業務利用可能な読上げソフト〜voicepeak

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AI技術によって目まぐるしい進化を遂げている音声合成分野ですが、シンガー系と並行して開発が進む文章読み上げソフトを取り上げてみます。 商用、業務利用OK、Windows、Mac、Linuxの3プラットフォーム対応を掲げてこのほど颯爽と登場したのが voicepeak 。先日取り上げた Synthesizer V の開発元でもあるDreamtonicsが提供するAI音声合成エンジン「Syllaflow」により喜怒哀楽のある実に人間らしいおしゃべり音声を合成することが可能です。 6ナレーターセットを謳ったパッケージとなっていますが、他社ソフトのようなキャッチーなキャラクター名こそないものの、女声、男声それぞれ3種ずつに加え、女の子の声がオマケとして全7ボイスが収録されています。 使い方は至って簡単で、日本語文章を入力(コピペOK)すれば漢字や英単語まじりでも概ね読んでくれます。ただし内蔵辞書にない漢字を誤読してしまったり、読めない英単語はアルファベットで読んでしまうので、自力で読み修正するか、よく使う語であればユーザー辞書に登録が可能なので語彙力を強化していくこともできます。 テキスト流し込んだだけのデフォルト変換ではやはり随所でイントネーションに違和感が生じてしまいますが、アクセント、音の高さ、音の長さを各音一つ一つ調整が可能。また読み方自体を自由に変えることができるので、例えば「が」を「んが」とニュアンスを変えるとか、あるいは全く違った音で読ませることもできます。 また文節単位でしゃべる速さや全体の音程、音量などのほか感情表現の味付けが可能で、喜怒哀楽のある人間味溢れる口調でしゃべらせられるので、アフレコ、プレスコで手が足りない時なんかにも重宝しそうです。 ただ一点残念というか、まぁ無理だとは思ってましたが、笑い声が作れればなぁ...って思うんですよね。。ま、笑い方もいろんな個性があるし一筋縄にはいかなそうですが、、、その辺は今後の進化に期待でしょうか。 ◆これなら方言もイケるでしょ? かなり表現の自由度が高いので方言もイケるんじゃないかと思い、我が地元新潟魚沼弁をいろいろとしゃべらせてみたのでご覧ください。 リズミカルで抑揚の強い方言なので言葉の組み立て方...

合理性に富んだ常用イヤホン〜LinkBuds

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今日はちょっと変わったイヤホンを取り上げさせてもらいます。 SONYから新登場のワイヤレスステレオヘッドセット「 LinkBuds 」(WF-L900)。ご覧の通りポッコリと穴の空いたオープンエアー型のイヤホンで、見た目からもオープンエアー型のいわゆる”ながらイヤホン”というやつだと判ります。 そもそもイヤホンを使うシチュエーションは移動中や待ち時間など概ね外出時の暇つぶしに使用されるケースが多いと思うし、個人的にはそうした場面でしか出番のないものなのですが、そうした状況では周囲音がある程度聞こえた方が実用的でもあり、また事故や健康上の安全性という意味でも重要です。こうした観点からもカナル(耳栓)タイプが望ましいのか?ノイズキャンセルが必要なのか?など、しっかり用途を踏まえた上で選択すべきだと思います。 さてこのLinkBuds、とにかく良いところは耳に突っ込むノズルがないので耳垢で汚れる心配が少なく、これなら「ちょっとこの曲聴いてみてよ〜」なんて時も気兼ねなくイヤホンを貸してやることができますよね。また小さく軽い上にフィッティングサポートによりしっかりと耳に収まるので装着性は思いのほか良好で、多少の運動で外れやすいということはありません。 ドーナツ開口の効能は思ったほどでなく、周囲の筒抜感、開放感はAppleのイヤホンとさほど変わりません。でも「うどんの切れっ端」がはみ出すよりは当然目立たず邪魔にもならないのでここもポイント高いですね。ダークカラーがあるのも◎。 サウンドに関してはやはり構造上低音域の厚みこそ望めませんが、出しゃばった部分がなくすっきりとニュートラルな音質で聴き心地は良好です。まぁイヤホンに過度な高音質求めるのも無理があるし、こうした音響デバイスは癖っぽい音でないことがとにかく重要なので、そうした意味では文句のないイヤホンです。 弱点としてはバッテリー寿命(連続再生時5.5時間)が他に比べて見劣りするようですが、装着性を憂慮して軽量にまとめた結果でしょうけどね。まぁ一日中付けてる物でもないので個人的には十分だと思います。 あとやはり落としてしまったり失くしてしまいやすいのもこの手のデバイスのデメリットですよね。安い物でもないので取り扱いに注意しつつ、使う場面ってのもよく考えましょう。 最後に機能面ですが、音声やタブルタップ、トリプルタップで再生...

AIで強力にノイズ除去〜Clarity Vx

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ミュージシャンやユーチューバーなどは宅録する機会が多いと思いますが、そうした際どうしてもエアコンやパソコンの作動音などが混じってしまったり、スマホの着信・バイブ音、また車の走行音など野外の音というのも完全に避けることは難しいものです。こうしたノイズ除去を目的としたツールもいろいろとありますが、小難しい機能が持っている割に案外思ったようには除去できないもので、苦労した挙句に結局使い物にならない音に変わってしまったなんてこともよくある話です。 この煩わしく厄介なノイズ除去を一瞬でこなしてしまうのがWAVESの Clarity Vx 。ヴォーカル(人の声)向けの強力なノイズ除去ツールです。 設定項目はたった4つ(モノラルでは2つ)という極めてシンプルなツールですが、基本的に真ん中のでっかいノブをグイッと上げるだけで綺麗さっぱりとノイズ除去できてしてしまう超優れもの。この仕掛けは目下各所で大きな革新を起こしているニューラルネットワークを利用したAI技術によるもので、人間の声が正確に分離認識されることで他に類を見ない高いクオリティでのノイズ除去が実現されます。 宅録の素材ならばホントその一手間だけで済んでしまうのですが、野外録音などノイズの多い素材の場合はNEURAL NETWORKを「Broad 2」に変更することで高い除去効果を発揮します。ただし元の音も崩れやすいのでご注意を。 ちなみにリアルタイム使用に対応する上位の Clarity Vx Pro というのもありますが、価格差も大きいですし生放送とかのプロ現場でもなきゃあまり用事もないと思うので一応参考まで。 しかしこんなに簡単に最適にノイズ除去できるツールは知る限りでは他にないですし、現在安価で出回っているようなので、声を録音する機会の多い方などにとってかなり重宝するツールに間違いないので、興味のある方は是非どうぞ。

ヴォーカルシンセ音源AI革命

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コロナ禍渦巻く少し前、NHKの特番で VOCALOID:AI 美空ひばり を目の当たりにした時、ボカロもいよいよ人の代役が務まるレベルに手が届くところまで来たかと感慨深く思ったわけですが、そんなわけで今日はDNN(ディープニューラルネットワーク)音声合成なるAI技術で飛躍的な進化を遂げた新世代ヴォーカルシンセについてざっと触れてみたいと思います。 基本的なことは⇨ AI音源技術(ヤマハ) NEUTRINOの衝撃 2020年、 NEUTRINO というフリーソフト(Mac、Windows、オンライン対応)が公開されたことでいよいよ時代が動き出します。 これはあくまで変換ソフトなのですが、音符の一つ一つをニューラルネットワークを介して最適な発声となる音声合成を導き出して歌唱を生成するというもので、これによって従来タイプとはまるで比較にならないかなり人間らしい歌唱データが生成されます。 あらかじめ楽譜作成ソフトなどを使って歌詞付きのメロディデータ(.musicxml等)を用意しなければならず、設定書類を書き換えつつコマンドラインで実行するという一般人にはちょっと取っ付きにくい代物ですが、ボイスも多数用意されてますし、非公認ながらWindows用編集ツールもあるようなので、いろいろ使いこなせれば十分有用なツールだと思います。 これからの主流は... NEUTRINO登場からしばらくすると市販の CeVIO と Synthesizer V がこのAIに対応し、一般向けの制作編集環境も充実します。 現状CeVIOはWindows専用なのに対し、まだ駆け出しのSynthesizer VはMacやオンラインにも対応しており、またSynthesizer V Studio Basicというフリーの高機能で軽快なエディタと試用限定のLite版ボイスが複数用意されている実にありがたいツール。市販のPro版はスクリプト対応で様々なカスタマイズが可能だったり細かい機能も充実し、音楽制作ソフト上でプラグイン動作可能と使い勝手が断然良いのですが、Basic版でも必要十分な機能が揃っていてとにかく手軽にじっくりと試せるので、興味のある方はぜひとも使ってみてください。 ちなみに性能的にはいずれも概ね同等ですが、自動的に適当な部分にブレス(息継ぎ)音が入る...

ピアノ音源②ジ・オールラウンダー〜C7 GRAND

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これまで定番からマイナーなものまで数十種に及ぶピアノ音源を試してみましたが、総合的に最も優秀だと思う一本を選べと言われたら、迷うことなくAcousticSamplesの C7 GRAND を挙げます。 現在までにソフト音源化されているピアノ中で、超のつく大定番のSteinway&Sons Dに次いで出数が多いのがYAMAHA C7のようで、量産機として広く普及しているためか今や世界的にスタンダードなピアノの一つとなっていることが窺い知れます。その明瞭でメリハリの効いたサウンドは他の楽器にも埋もれにくく、いろんなシチュエーションで立ち回れる柔軟性という点でもやはり重宝します。 この”C7 GRAND”は、多くのC7音源の中でも底辺クラスのデータ容量、販売価格でありながら、他社高級音源にも比肩する高いサウンドクオリティと充実機能を誇りますが、そのサウンド傾向は、例えば Ivory II のC7が透き通るようなハイトーンに重きが置かれ、良くも悪くも削ぎ込まれたような細身な鳴りであるのに対し、C7 GRANDは過度な演出のない自然な明瞭感で、濁りなく素直に響きの中にもしっかりと深い重心を持った物量感のあるサウンドを聴かせます。そんな美しくも力強いサウンドが3つのマイクセッティングで丁寧に収録されていますが、ヴェロシティ変化も滑らかで、癖のない自然な弾き心地の手馴染みのいい音源に仕上げられています。 もちろん機能も満載で、ソステヌート、ハーフペダル、リペダルに対応し、ペダル踏み込み、キー・オン時の弦共鳴やノイズなど網羅してますし、加えて詳細なヴェロシティ調整や1鍵毎にも可能な調律機能、更にはUVI系の強みとも言えるわずか2.41GB(15GB相当をロスレス圧縮)という小容量も相まって機動力も抜群です!! これだけのスペックを持ちながら$119とリーズナブルだし、ピアノ音源強化に際して是非オススメしたい一本です。

ピアノ音源①艶やかな響き〜KAWAI-EX Pro

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個人的にお気に入りピアノ音源の一つであるAcousticSamples  KAWAI-EX Pro を紹介します。 KAWAIのフルコンサートピアノEXを収録した希少な音源ですが、明瞭で艶やかな響きを醸しながらバランスの良い肉付きでしっかりとした存在感のあるサウンドで、倍音が豊かなためか揺らぎの感じられる面もありますが、それが故に煌びやかで広がりのあるサウンドが響き渡る心地よさがあり、ほかのどのピアノ音源とも違った独特な個性がついクセになってしまうピアノ音源です。 元々はKONTAKT用で3マイクポジション収録は変わりありませんが、Ver.3よりUVIエンジンへの移行によって機能が強化され、ソステヌート、ハープペダル、リペダルに対応し、多彩な共鳴、ノイズ、ラウンドロビンとリアル効果ギミックも満載。インターフェイスも一画面で分かりやすくなっているほか、ロスレス圧縮によりわずか2GB強に収まる小容量化を遂げているためドライブ負担が大幅に軽減されています。 こうした音源ではやはり弾き心地が気になるところで、もちろん使用機器にもよる部分ですが、ヴェロシティ変化もしっかりと直線的にまとめられていて違和感は極めて希薄な部類ですし、感度やカーブ調整も可能なので安心です。 定番モデルの類似したピアノ音源が多い中、個性的なサウンドを求めるならこのチョイス、かなりオススメです!! ちなみに現在 AUDIOPLUGIN-DEALS にてこれを含めたピアノ音源5種バンドルが75%オフでセール中のようなので、よかったらどうぞ。