ヘッドフォンのキャリブレーション

ヘッドフォンは特に、機種によって出音特性の違いがかなり顕著なデバイスですが、数々の個性の異なるヘッドフォンの再生音も今やソフトウェアで簡単にキャリブレーションが行えます。

キャリブレーションとは特性をニュートラルに揃えることですが、ヘッドフォン出力音声の周波数特性の凸凹を打ち消すように、それとは逆転した凹凸のイコライジングを噛ませてやって出力音声のクセを相殺してしまおうという力技です。

キャリブレーションを行う必要は必ずしもありませんが、音関係の現場や仕事、学校などで使用している機材とプライベートで使っているものとが違うケースは多いと思いますし、作業を自宅に持ち帰った時など聴こえ方ができるだけ一致している方が当然都合が良いはずです。

また一律な比較ができるよう「ニュートラルな音を知る」という意味でも有用で、その点ではプロファイルのターゲット(目標として詰めていく特性カーブ)がしっかりとフラットな方向性で概ね一貫しているSoundID Reference for Headphonesがオススメ。対応機種は少ないですが、スマホ用アプリも出ています。

PC用のSoundIDには現在までに800機種以上のプロファイルが用意されており、普及している定番モニター機には概ね対応しています。また自身で補正をいじることもできますが、面白いところは補正の適応範囲を自由に変更できる点で、ヘッドフォンの個性を部分的に残しながらの使用も可能です。
Mac、Windowsに対応し、スタンドアローンでPCのシステム音声に組み込めることが大きな利点ですが、設定により遅延も最小限に抑えられるため音楽制作にも有用で使い勝手は抜群です。また一応プラグインとしても使えますが、単独で使えるだけにどういう場面で必要なのかよく分からんのですけれど^^;

他にも様々なソフトウェア、プラグインもありますが、単独で使えないプラグインは用途が限られてしまいますし、対応機種(プロファイル)が多いものは特に、一貫性のない(同じ狙いでも揃っていない)特性ターゲットが混在していたりするために”特性を揃える”という本来の欲求を全く満たせない本末転倒な部分が色濃く、非常に使いづらいです。

しかし中にはeqMac Proのような調整の自由度がずば抜けた(対応機種は数千にも及ぶ)高機能システムEQソフトもあるので、自身で特性を確認したりいろんな調整を試したい方にはこの選択もオススメです。また再生空間環境の仮想シミュレート目的としてキャリブレーション機能を持つものもいろいろと出ていますが、ただプロファイルのターゲットカーブ(補正後の結果)がメーカーごとに異なる点は留意すべき部分です。


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