古き良きDAWソフトのはなし
ラジオ番組、バンド活動のほか、音楽制作に関するネタもちょっとずつ書いていこうと思います。
というわけでちょっと昔話でもさせていただきますが、1993年だったかな?学生時代から長年目論んでいた音楽制作PCとして購入したのがApple社のMacintosh Color Classic。この20万円以上もするちびっこいMacに7〜8万もしたVisionという音楽制作ソフト突っ込んで、ついに念願のPC環境が手に入った!!なんて喜んだものですが、思えばわずか10インチの小モニターで特に不自由もなく音楽やってたんですよね...
Visionは、当時Appleの標準MIDI I/F規格の核となっていたOMSを作ったOpcode社から出ていたまさに最古参のMac専用MIDIシーケンスソフトウェアで、今や全DAWソフトで当たり前についてるストリップチャート(ベロシティなどのコントロールをグラフ可視化した窓)を真っ先に取り入れた、というか開発した画期的な伝説的ソフトウェアです。オーディオ機能を真っ先に取り入れたソフトでもあり、Studio Visionという名でリリースされました。
しかし20世紀も終わる頃、メーカーがGibson社に買収されたことにより悲しくも開発終了。この開発陣はAppleへ吸収されることになったようで、後のLogic開発やCore AudioなどDAW/オーディオ技術の礎が築かれたようです。
当時、もう一つの巨塔として君臨していたのがMark of the Unicorn社のPerformer。現在ではオーディオ機能追加の上位版で登場したDigital Performerの名でコアなファンに愛され続けていますが、元々こちらもMac単一のプラットフォームでしたが、後にWindows対応を果たして今なお息をつないでいる最古参ソフトウェアです。
実はVisionが終了した際一時期こちらへの移行を図ってみたのですが、まぁ慣れもあるんでしょうがVisionの機能性、操作性の高さには及ばない印象で手に馴染まず、ほとんど活用することがないまま当時ちょうど登場したAppleの簡易音楽ソフトGarage Bandでしばらくライトな音楽制作活動を送ることになったのでした。
古参ソフトとしては今なお人気を誇示しているのがスタインバーグ社のCubase。演奏データをブロックパーツで扱うオブジェクト指向的な一種独特なソフトでしたが、今やあらゆるソフトがこの形式を採用してますね。元々はドイツのATARI ST専用ソフトウェアとして開発されたもので、早期にMac、Windowsにも対応し人気音楽ソフトの一つになりました。YAMAHAとの提携(買収)でバンドルでの流通もあり、特に国内人気は廃れず元気ですね。エフェクトやインストゥルメンタルなどを追加増設できるVST規格もここで生まれました。
そしてLogic。かなり複雑な歴史経緯をたどるソフトウェアですが、これもまた元来ドイツATARI ST向けのC-Lab(後のEmagic)社製ソフト。元々はNotatorという譜面作成ソフトがベースでしたが、Mac対応のNotator Logicがリリースされた後Logicのみに名称変更。
今世紀に入ってApple社による買収後はWindows版が廃止されMac専用ソフトになり、今やフルバージョンのLogic Pro X単一ラインナップとなってしまったものの、他ソフトに比べて破格値の2.5万円足らずで提供されているのは実にありがたいですね。フリーソフトGarage Bandの完全上位互換でデータもそのまま使える上に操作性も似ているのでステップアップも容易。それにApple純正なのでOSアップしようが常に安定動作が期待できるんで、そうした経緯から現在こちらをメインに使用してます。
最後にもう一本、レコンポーザにも触れておきましょうか。NEC PC-98シリーズ用の国産MIDIソフトウェアですが、海外ものはリアルタイム入力に特化したものばかりだったのに対し、このソフトはステップ入力を得意としたタイプのもので、あぁそうそう、TMネットワークのライブで小室氏の背後モニターに表示されていたアレですわ。
学生時代に少しいじった経験がありましたが、おたまじゃくし入力とかリスト表示とか、融通の効かないガチガチデジタルなソフトというイメージ。それ故にこの時、音楽やるならやっぱしMacが欲しいな...って思っちゃいましたw
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